安慶名グスクに新たな穴!
安慶名グスクの石積みに不思議な穴が開いているのはブログでも紹介しましたが、以前この穴の方角をはかったところ、みごとに東西の方角に一致していました(こちら)。この穴は軍事用の銃眼ではなく、意図的に方角を合わせた宗教的な意味があったのではないかと推測しました。
その後、たまたま安慶名グスクに行ったところ、草が刈られた城壁外から別の穴らしきものを発見(クリックで画像拡大)。
さらに調査を重ねたところ、同行の田本翼氏が該当箇所の城壁内においても穴を発見、その穴は外部に貫通していることを確認しました。安慶名グスクはこれまで知られていた穴のほかに、もう一つの穴が存在したのです(すでに教育委員会で確認済かもしれません)。
そして、気になる穴の方角。なんとこの穴は南北の方角に一致するではありませんか!これは偶然の一致ではなく、意図的に穴を東西・南北の方角に合わせたとしか考えられません。なお画像を見てもわかるように、奥行きと穴の大きさから銃眼として使用するのはかなり無理があります。
今回の調査の結果、以前僕が唱えた「グスクの穴と方角の思想」(『琉球新報』2010年12月2日)の推論が証明されたといえるのではないでしょうか。
中城グスクも同様に、グスクの城壁に東西南北の穴を通す慣行があったことは間違いありません。次の問題は、それらが具体的にどのような意味を持っていたのか、そのナゾを解明することです。後続の研究を待ちたいと思います。
※調査に同行し協力いただいた田本翼氏に記して感謝します。
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コメント
従来の穴が太陽祭祀だとすれば、今回の穴は北極星に関するかもしれませんね。
ここから北極星が見えるとすれば、石川岳と恩納岳の間上空25°あたりになりそうです。
投稿: 琉球松 | 2015年4月 4日 (土) 13:31
>琉球松さん
北を向いているのはそのあたりも関連ありそうですね。今のところ穴を確認できたグスクはわずかですが、今後も注意深く見れば、残りのいい中小型グスクでも見つかるかもしれません。
投稿: とらひこ | 2015年4月 8日 (水) 19:42