沖縄県立一中の試験問題(2)
それでは前回の問題の解答です。
沖縄県立第一中学校(明治45年度〔1912年〕)
国語科
(1)左の文の漢字にヨミカナをつけ全文のワケを解くべし。
〔読み〕カミはるけきムカシよりクンシンブンはサダまりてバンセイ一ケイウゴきなき■ガクワウシツのオホみいつ、あまねきヒカリアホぎミるドウホウこゝに五センマン。
ブユウのほまれクハシホコ、チタルのクニのナにオひてレイギはハヤヽヽカラヒトもタヽへしソのナ、クンシコク、ソセンのヰフウつぎゝゞてドウホウこゝに五センマン。
〔意味〕ずっと遠い神代の時代から君と臣民の分ちはちゃんときまってゐて、万世も永い間ちっとも動くことのない我が皇室の御恩を受け、其の御光を仰ぎ見ることの出来る我国民は五千万もあります。
武勇のほまれ名高い日本刀をふるひ千足の国の名にそむかないで、礼儀の正しいことは支那人なども早くから感心してゐた其名もゆかしい君子国で先祖様の時代から残してある美風をつぎつぎして来た所の我が国民は五千万もあります。
(2)左の文の――線のところにヨミカナをつけ全文のワケを解くべし。
〔読み〕憤(いきどほ)り。苦(くる)しむ。百害(ひゃくがい)。進(すゝ)み。救済(きゅうさい)。勝(まさ)らん。工夫(くふう)。追(お)ふ。望(のぞ)み。顧(かえり)み。
〔意味〕世の中の事に不平を云ったり人をねたんだりして自分の身の何も役に立たないなど云うて自分から苦しむには非常な害があるけれども一も利益はありません。世の中の事をうらむよりも進んで之を救ひなさい。ヒトをわるく思ふよりも自分から勉強して之に打ち勝つやうに工夫した方がよい。身を悲しんでもすんだことは何とも仕様のないことである。常に自分の前の方を望んで、たゞ過ぎし後の事を思ふな。
(3)左の漢字にヨミカナをつけよ。
(イ)カイタク。(ロ)サウクワン。(ハ)ハント。(ニ)カンキヤウ。(ホ)ヰシン。(ヘ)ガイセンモン。(ト)キサラギ。(チ)キカ。(リ)シカウ。(リ)シカウ。(ヌ)ゲゴンノタキ。
(4)左の――線をひきたる仮名に相当する漢字を書け。
(イ)身体健全なる人は精神も亦快活なり。
(ロ)物の価は需要供給の関係による。
(ハ)人は職務に勉励すべし。
(ニ)敵兵。飛行機。警察。
参考文献:中学会編『鹿児島県宮崎県沖縄県各学校入学試験問題集 附・解答 明治45年度』(久永金光堂、1912)
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