グスク布積みのタイプ
前回、仲栄真グスクについて紹介しましたが、そのなかで石積みの「目地の通る(通らない)積み方」という表現をしました。どういうことなのか、実際の写真を見ながら解説します。
まず、布積みで縦に「目地の通る積み方」。
仲栄真グスクや糸数グスクがこれに当たります。
そして「目地の通らない積み方」。
石を一段積むごとにズラしていく、レンガのような積み方です。こちらのほうが崩れにくく強度があります。中城グスクや勝連グスク、首里城などに見られます。こちらは比較的新しい時代のもののようです。
これより後の時代になると、「相方積み」という、多角形の石を噛み合わせて積む方法が登場しますが、これは布積みよりもさらに強度があり、王国時代を通じて用いられていきます。これが沖縄の石積み文化の完成形といえるのではないでしょうか。
訪問ありがとうございます。
応援クリック!お願いします
| 固定リンク
コメント
仲栄真グスクには、"グスクの奇妙な穴" は確認できるでしょうか?
来月の夏至の日には「安慶名グスク」での太陽光を見てみるつもりですが、このグスクにもその痕跡があるとイイんですけどね。
投稿: 琉球松 | 2013年5月26日 (日) 15:56
オカルトネタよりは皆さんの食い付きが悪い?w
それはそれとして。
石積みの3タイプは、時期的にいうと何世紀ころになるなんでしょう?
投稿: nagamati | 2013年5月27日 (月) 20:04
nagamatiさん
自分で調べてみるのも楽しいですよ。
投稿: 琉球松 | 2013年5月27日 (月) 23:16
>琉球松さん
おっしゃるとおりですが、ネット検索ではイマイチわからないところがありますんで(地元図書館では無理)、この場は上里さんに頼らせてください。
ただ、検索した分では、第一尚氏時代にはすでに技法が完成しているみたいですね。
以前の上里さんの著作では、上物(木造建築部分)は江戸時代以降のイメージとそれ以前で大分違うようなことでしたけれども、石垣は変わりなしだったのかな?
投稿: nagamati | 2013年5月29日 (水) 20:12
nagamatiさん
これはほんとに難しい問題ですよ。
仮に、それぞれのタイプの年代がある程度推測できたとしても、新タイプの上部に旧タイプが造営されている事例もありますから厄介です。
なにか炭化物が紛れ込んでいて、それが測定可能であればイイんですけどね。そういう事例もないようです。
また、本土側や朝鮮半島との絡みもなかなか決定打とはいかないようです。
投稿: 琉球松 | 2013年5月29日 (水) 20:47
>琉球松さん
残念ながら仲栄真グスクには「穴」は確認できませんでした。
安慶名グスクは東西の線に一致していましたが、夏至の日の出は見れますかね?ぜひ確認していただければと思います。
>nagatamiさん
石積みのタイプはおおまかにですが、当真嗣一氏が年代比定しています。布積みの旧タイプ(目地通る)は14世紀~15世紀前半、新タイプ(目地通らない)が15世紀、相方積みは15世紀後半以降、野面積みが14世紀以前です。
正確な年代測定は難しいですが、グスクの発掘調査から出土する陶磁器のタイプなどと比較して推定しているようです。
投稿: とらひこ | 2013年6月 4日 (火) 17:40
ありがとうございます。
新規築城する必要もないでしょうから、やはり15世紀あたりまでなんですね。
投稿: nagamati | 2013年6月 5日 (水) 20:23
>nagamatiさん
16世紀初めには尚真王の首里集住策で多くのグスクが廃されますしね。
投稿: とらひこ | 2013年6月 8日 (土) 14:23