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2012年3月31日 (土)

山北?北山?

14世紀、沖縄の島が3つの勢力に分かれて争っていた時代のことを「三山時代」といいます。それぞれ北山、中山、南山という勢力でしたが、場合によっては北山と南山は「山北」「山南」と呼ばれる場合も見たことがあるかと思います。これはどっちが正しいのでしょうか。

リアルタイム史料に書かれているのは、一貫して山が先の「山北」「山南」です。これが正式名称。その意味は「山(島)の北、南」という意味です。八重山(のちに宮古島)を「大平山」、伊平屋島を「葉壁山」と呼んだことからもわかるでしょう。では、この山がどうして後ろにくっついて「北山」「南山」になったのでしょうか。

実は、これはいつの間にか変わったのではなく、はっきりと変えた人物がいます。近世琉球の大政治家といわれる蔡温です。彼は父が編集した歴史書『中山世譜』の改訂をおこなっていますが、そのなかで「山北」「山南」をひっくり返して「北山」「南山」に変えています。これはどうやら中山という表現に合わせたようです。表現を統一しようとしたわけですね。

それ以来、北山、中山、南山という三山の呼び方がくわわったようです。

参考文献:田名真之『クニンダ人物誌1 蔡氏』

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2012年3月27日 (火)

現代版組踊大交流会&感謝祭!

4月1日(日)に読谷村文化センターで開催される「現代版組踊大交流会&感謝祭2012」の詳細をお知らせします!

くわしくは下のチラシをごらんください!(クリックで拡大します)

Photo

ワタクシ上里は13時30分から中ホールで行われる「琉球戦国☆対談!」に出ますよ。ほかには現代版組踊のほか、阿麻和利を題材にした朗読劇「月下に語る」や、読谷グルメの屋台コーナーもあるので、みなさまぜひお越しください!ちなみに僕は対談の時間以外は屋台コーナーをうろうろしていると思います(笑)

それと!「琉球武将パネル」では何と、オマケとして僕が描いた人物イラストも展示されます!一人は「ベッテルハイム」!そしてもう一人は…会場に来てからのお楽しみです(笑)

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2012年3月25日 (日)

琉球歴男・歴女対談!

またまたワタクシ上里によるトークイベントの開催です。

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『琉球戦国列伝』発売記念トークイベント「琉球戦国☆対談!」
上里隆史×和々(琉球歴女・琉球イラストレーター)

日時:4月1日(日)13:30~14:30
場所:読谷村文化センター中ホール

『琉球戦国列伝』(ボーダーインク刊)の発刊を記念して、著者の上里とイラスト担当で琉球歴女の和々による琉球歴男・歴女対談!琉球でもっとも熱い時代、三山から第二尚氏王朝初期の人物たちについて、好き勝手にしゃべりまくります!本書に登場するイラストの人物たちも徹底解説!

そして、なななんと!この会場限定で『琉球戦国列伝』を先行発売!どこよりも早くみなさまに本書をお届けします!ご希望の方にはサインもしますよ(笑)

このトークイベントは、「現代版組踊大交流会&ファン感謝祭」の一環として行われます。琉球の歴史を舞台とした中高生たちが演じる「現代版組踊」もぜひごらんください!

くわしくは琉球歴女・和々さんのブログで告知しています。くわしくは【こちら】をご参照ください。

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2012年3月22日 (木)

またまた新刊『琉球戦国列伝』!

『海の王国・琉球』、『琉球古道』に続き、2012年上里著作の第3弾です!

その名も…『歴史ビジュアル 琉球戦国列伝~駆け抜けろ!古琉球の群星《むりぶし》たち!

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琉球歴男・歴女待望の琉球歴史イラスト本!著・監修はワタクシ上里、そしてイラストは「カリスマ琉球歴女」として知られる和々さん!

圧倒的!古琉球の群雄、総勢61名をイラストで徹底図解!三山の対立から琉球統一、護佐丸・阿麻和利の乱、そして第二尚氏王朝成立から栄華まで、琉球の歴史がもっとも熱かった時代に焦点を当てた、前代未聞の琉球戦国史です!

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人物はこれまで知られていた英雄だけでなく、まったく無名の人物まで登場させています。尚巴志や護佐丸、阿麻和利のほかにも、王茂や李仲、汪応祖など多彩な人物。さらに女性たちも!百度踏揚や馬天ノロ、国笠などなど!

古琉球の時代は日本の戦国時代や三国志にも決して劣らないドラマがあります。この本でぜひその世界を堪能してください。

ボーダーインクのホームページから予約開始です。こちらから申し込むと全国送料無料でお届けします!

予約・購入は【こちら】から

さあ歴男、歴女たちよ!ページを開いて来たれ、伝説の古琉球の世界へ!そして括目せよ、英雄たちの熱き物語を!

※和々さんのブログでも本書を紹介していますよ。【こちら

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2012年3月17日 (土)

新刊『琉球古道』!

先月『海の王国・琉球』を刊行してまだ間もないですが、なななんと、またまた新刊です!今度はワタクシ上里と未知なる沖縄を旅する本!

琉球古道 歴史と神話の島・沖縄』(河出書房新社)

沖縄を撮り続けて35年、『沖縄ビーチ大全』著者で知られるカメラマンの富山義則さんとの共著です!

『琉球古道』とは富山さんの造語で、琉球・沖縄の歴史にまつわるすべての道のこと。王国の街道「宿道」から近代の鉄道、海の道まで、琉球・沖縄の歴史を「道」をキーワードに概観していきます。もちろん現場を歩きながらの解説なので、旅のお供に最適!

本書は次の章からなります。

第1章 琉球神話と巡礼の道

第2章 海上の道と古琉球

第3章 すべての道は王宮へ通ず

第4章 沖縄県の誕生と近代の道

富山さんの写真も120点以上と豊富で図解入り、かなり読みやすく仕上がっています。通常の沖縄観光は飽きたという方、この本でディープな沖縄にご案内します。もちろん沖縄初心者も「目からウロコ」な内容ですよ。

来週の20日頃から全国の書店に並びます。みなさま、ぜひ手にとってご覧ください!

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2012年3月13日 (火)

またまたトークイベント!

またまた上里のトーク&サイン会です。

トークイベント「でーじびっくり!目からウロコの琉球・沖縄史

3月18日(日)14時より、宮脇書店国際通り店さいおんスクエア2階)にて行います。

入場無料です。

当日は沖縄の歴史をおもしろおかしくお話しします。そして、なんとワタクシ上里の新作本の発表もあり!

みなさま、ぜひお越しください!

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2012年3月10日 (土)

王様のウンコ発見!?

食べたら出す。これは自然の摂理です。前回の王様のディナーの話の続きです。

首里城には、その生活の跡がしっかりと残されています。王様が住んでいた場所は正殿の裏にある御内原(おうちばる、うーちばら)という場所。いわば大奥です。ここには王様や王妃様、そしてその世話をする女官たちが暮らしていました。

実はこの御内原にある淑順門という通用門の裏から、最近の調査で地下から奇妙な遺構が見つかりました。円形の石組みの井戸のようなかたちなのですが、中に詰まっていた土がおかしいのです。しまりのない腐葉土のような黒い色の土で、その土にはたくさんの動物の骨がふくまれていました。さらにこの土は上から何度もかき出したような跡も確認されました。つまり内部にたまったモノを何度も外に捨てていたのです。水がたまっていた様子はなく、これは井戸ではなくゴミ捨て場ではないかとの結論に達しました。

そして内部の土をさらにくわしく分析したところ、なんと、化石化した人のウンコ(糞石といいます)が発見されました。つまりここは・・・ウンコ捨て場だったのです!しかもここは王さまの住まい。もしかしたらあの化石化した「モノ」は、王様の「やんごとなき落し物」の可能性もあります。少なくとも御内原に住んでいる人間、王様とその家族、女官たちのいずれかのモノであることはまちがいないでしょう。

首里城から出土したウンコの模写が次の画像です(クリックで拡大)

Photo

このウンコがたっぷり詰まった穴はトイレそのものではなく、どうやら「おまる」で排泄したモノを捨てる場所だったようです。意外なことに首里城にはトイレらしきトイレが見つかっていません。史料には「糞箱」や「小便筒」などが登場しますから、それで用を足していたようです。

実はウンコがきちんと「完全形」で残っている例は珍しく、分析をすれば何を食べていたのか、健康状態なども知ることができる貴重なモノです。発見場所は石組みで密閉され、さらに上からは粘土がフタの役割をはたしていたので、よい状態で残っていたのです。ちなみにウンコの解析の結果、回虫や鞭虫などの寄生虫の卵がたくさん見つかりました。当時は衛生状態も今ほど良くなかったのでしょうがないですね。

そのほか、土からはイヌやシカ、ネズミ、ニワトリやカモ、ヘビの骨、貝殻も見つかっています。とくにイヌやシカの骨には刃物の傷が残っていて、食べるために解体していたこともわかりました。王様の好物はイヌだった!?どのように食べていたかは謎ですが、シカに関しては中国の冊封使の接待料理のメニューにも見えているので、おそらく王様も食べたことでしょう。

使われていた時代もだいたい判明しています。17世紀前半、つまり尚寧王の頃から、1709年に首里城が焼けてこの穴が廃棄されるまでの期間だろうとみられています。それにしても、まさか王様も数百年後に自分たちのウンコを見られるなんて、想像もしていなかったでしょうね(笑)

参考文献:仲座久宜「シーリ遺構から見る御内原のくらし」(『紀要沖縄埋文研究』6号)

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2012年3月 9日 (金)

ジュンク堂でトーク&サイン会!

新刊『海の王国・琉球』の発売記念イベントとして、ジュンク堂那覇店でわたくし上里のトーク&サイン会を開催します!

3月11日(日)15時よりジュンク堂那覇店1階正面入り口特設会場にて!

くわしくは【こちら】をご覧ください。

みなさまのご来場、お待ちしています!

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2012年3月 3日 (土)

超豪華!王様のディナー

沖縄にかつて存在した「琉球王国」。その頂点には国王が君臨していました。首里城にいた王様、普段はいったいどんなものを食べていたのでしょうか。

実は、最後の国王の尚泰王が日常的に食べていた料理の献立(朝・昼・晩の3食分)が今でも残されています。この献立は1872年(明治5)に書かれたもので、首里城の料理長の家に伝わった献立を筆写したもののようです(池宮正治「伝・尚泰王の御献立」)。では一例として、王様の夕食を紹介してみましょう。

◎貝柱、おろし合わせ、す海苔
◎むか子、花ぶし(カラスザンショウ?)の汁
◎香の物(守口大根、かくあい)
◎引き味噌、鰆(さわら)、甘露シイタケ、てがら蓮
◎鯒(こち)、ちくわ昆布
◎五目凍み豆腐
◎焼き物(生鮭の塩蒸し)
◎あわびの塩蒸し、タマゴ焼き、蒲焼き
◎茶碗蒸し
◎ご飯

さすが王様だけあって非常に豪華な朝食ですね。ただ意外なことに、現在知られている沖縄料理はこのメニューには見られません。実は王国時代は和食がけっこう食べられていて、料理人は薩摩(鹿児島県)へ料理修行に行ったりしています。このように王族や士族階級は、味くーたーな料理ではなく、あっさり・薄味のものを食べていたのです。

またこのメニューで注目されるのは、沖縄産ではない食材(生鮭など)がみられることです。献立は沖縄にある食材を考慮したものではなく、一種のマニュアルのようなものであったとされています。

ただ僕は、食材は完全に架空のものではなく、王さまが本当に食べた可能性もあるのではないかと考えています。その理由は、彼が琉球で一番えらい人間であること、そしてこの献立が記された時代が明治であることです。

実は幕末に開国した日本では、蒸気船によってアメリカ・ボストンの天然氷が運ばれ、食品冷蔵などに利用されていました。しかし非常に高価なため、明治4年(1871年)には函館の氷が商品化され、広く流通していました(『函館市史』)。つまり、蒸気船によって本土から沖縄へ生鮮食料品を冷蔵輸送することは可能だったのです。

そして王様は、琉球で一番良いものを食べることができる人物。最高級の食材をわざわざ本土から輸入して食べることも不可能ではありません。もちろんこれを裏づけるにはさらに調査が必要ですが、もしこれが本当だったら、王様はとてもゼイタクな食事をしていたということですね。

参考文献:池宮正治「伝・尚泰王の御献立」(『首里城研究』6号)、『函館市史』

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