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2011年4月16日 (土)

泊の古名

琉球の国際貿易港として使われたのが那覇港であることはよく知られています。そして那覇港の北側にはもう一つ、港がありました。それが泊港です。現在では渡嘉敷島や久米島などの離島便の発着港として使われています。

王国時代、泊港は奄美諸島や久米島、宮古、八重山など琉球域内の船が入る港でした。港付近には大島蔵という奄美諸島からの年貢を収納する蔵が置かれ、また泊御殿という役所もありました。

この泊という地名、実はもともと別の名前であったようです。今から550年前の様相を描いたと考えられる「琉球国図」(沖縄県立博物館・美術館蔵)には、泊付近に

飛羅加泊

と書かれています。これは「ひらかどまり」あるいは「ひらがどまり」と読むのでしょうか。これまで伝承でも残されていない、まったく未知の地名です。

ここが泊であることは、このそばに「毒(徳之島)・大島(奄美大島)・鬼界(喜界島)の船、みなこの浦に入る」と書いてあることから明らかです。おそらく泊はもともと「ひらが泊」と呼ばれていて、それが時代が経つにつれ、単に「泊」と呼ばれるようになったのではないでしょうか。

まだまだ沖縄の地名にはナゾが隠されているようですね。

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コメント

毒はひでえぇ←徳之島に祖父母を持つもの

親国(中山)の為に、数百名もの命を捧げたのに...。

やしが確かにハブの毒は徳之島が最強との噂が...。

投稿: 切磋琢磨‘りゅう’ | 2011年5月13日 (金) 17:58

越来も、「五欲」や「魏古」などと書かれることがあり、ギョっとしたことがあります。書いた坊主(?)にとって他間切はバーバリアンだったのか、最適な発音だったのかは分かりませんが、もっと良い当て字は無かったのかな、と(笑)

何だか、煩悩にまみれていそうです。>五欲

投稿: 御茶道 | 2011年5月15日 (日) 22:15

>切磋琢磨‘りゅう’さん
地名は沖縄の人が字を当てたのではなく、博多商人が作成した可能性が高いです。中世のヤマトは南西諸島を人ならざる者が住む鬼の島と考えていたので、その観念が地名の当て字に影響を与えたのかもしれません。

>御茶道さん
現在の地名の漢字が古琉球には必ずしも統一されていなかったことがここからわかりますね。とくに「魏古」は方言読みをそのまま漢字で表記したことがうかがえます。

投稿: とらひこ | 2011年5月17日 (火) 23:49

 「ひら」は上り坂じゃないでしょうかね?

 近くの天久高台あたりを見上げる泊か。。。

投稿: 琉球松 | 2011年12月 4日 (日) 11:23

 あるいは、天久宮内の泉を「ひらカー」と呼んだでしょうか。

 この辺りは、この水を求めて多くの船が訪れたかもしれません?

投稿: 琉球松 | 2011年12月 4日 (日) 17:41

>琉球松さん

なるほど。「ひら」が坂を意味しているとは思いつきませんでした。可能性はありますね。

あちらの泊・天久近辺は坂になってましたからね。

投稿: とらひこ | 2011年12月 6日 (火) 19:10

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