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2010年6月 5日 (土)

謎のグスクに潜入!

糸満市名城にあるエージナ島。550年前の様相を描いた地図「琉球国図」、『海東諸国紀』に記された「阿義那之城」がこの島に該当するのではないかと前回の記事で指摘しました。

そして今回、実際にエージナ島を調査してきましたので、その結果を報告します。結論は、エージナ島に「グスク」的遺構の存在を確認しました(※)。この島は唯一、グスクの分布調査が入らなかった島だそうです。

この島は拝みの対象になっていて人の出入りもままありましたが、この地を「グスク」として認識する人はおそらくいなかったと思います。550年間、忘れ去れていたことになります。

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↑エージナ島は干潮時には歩いて渡れます。周囲は石灰岩の岩場で、自由に島の内部へは入れない構造になっています。

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↑北側の中央あたりに島へ入る入口が。蛇行した階段の道を登っていくと、平場に出ます。ここはかなりのスペースで、居住空間として充分利用できます。

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↑入口から左側には小高い岩場があり、その中央には石積みで築かれた長方形の構築物があります。おそらくお墓ではないでしょうか。

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↑入口から右側に行くと、さらに一段高い場所があり、その上に向かって坂道がつくられています。

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↑坂道を登ると左右に野面積みの石積みが。明らかにこの区画を囲うための人工物です。ついに見つけました!防御性を持つ石積みです!

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↑道は二手に分かれ、ゆるやかな坂道になっていますが、行き着いた場所にはまた石積みの塚が。三つの石が立てられています。

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↑断崖の周囲を沿うようにして野面積みの石垣が積まれています。

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↑西側からみたエージナ島。

エージナ島は周囲を岩で覆われ、進入が困難な防御的性格を持っており、また居住可能な平場空間が存在、御嶽や石積みなど人工構築物があること、くわえて550年前の地図でエージナ島に該当すると思われる島に「城」が存在したとの記載から、エージナ島に「グスク」的性格の遺跡があったと判断していいと思います。今後は遺物の調査などでさらに詳しい当時の様子が明らかになるはずです。

【注意】エージナ島は整備されておらず樹木が鬱蒼と茂っており、ハブに噛まれる危険があります。また満潮時には島の周辺は水没するので島内に閉じ込められる危険もあります。この海域は流れが速く、水難事故も起きています。この情報をもとに島内を訪れて怪我等をされても責任は持てませんのでご了承ください。またここは聖地であり、現在でも信仰の対象となっていますので、その点もご留意いただきたく思います。

※【追記】後日の再調査(2012年10月実施)によってさらに石積み遺構を発見しましたが、近代に入って大規模な改変を行っている可能性が出てきました。グスク土器の表面採取や拝所(『琉球国由来記』記載の「あいけな森」と推定)などからかなり古い時代よりの住居、拝所機能のある遺跡であることは間違いないのですが、どの石積みが当時のものかをより厳密に判断する必要があります。そのためには本格的な学術調査が不可欠です。よって現段階ではひとまず判断を保留したいと思います。

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コメント

発見、おめでとうございます。今後の詳しい調査が興味深いです。

投稿: kayano | 2010年6月 5日 (土) 00:53

とらひこさんのブログ凄く楽しみにしています。 ただとらひこさんと違う所は、自分は父親が奄美出身で、高卒後東京に進学したのですが、それまで沖縄の人と本土の人は人種が違うと思ってたのが、在日の方々と触れ合うことで、逆にウチナーンチュも日本人だと感じたことがあって。
それは置いとくとして、 更新いつも楽しみにしてますhappy01
影ながら応援してます。
頑張って下さい。

投稿: まりきん | 2010年6月 5日 (土) 08:24

>kayanoさん
ありがとうございます。まだ正式な学術調査ではないのですが、後日さらに調査に入る予定です。

>まりきんさん
応援ありがとうございます。

まりきんさんのおっしゃってることは、人種の問題ではなく「アイデンティティ」の問題だと思います。そして、それは他人の誰かから押し付けられるものでも、客観的・科学的に明確な指標があって、それをもとに判断できるわけでもありません。ちなみに僕のアイデンティティは「沖縄人であり、日本人でもある」という考えです。そして僕の母はヤマトンチュです。

なので、それぞれ個人がそれぞれの生い立ちや考えでそれらを持ち、尊重すればいいのではないかと思います。

投稿: とらひこ | 2010年6月 6日 (日) 16:17

いつも楽しく拝読させていただいています。
エージナはハーリーの時に御願するところですね。
たしかエージナのナカイロは名城集落の祖先の墓だとか。
それにしても中がこんな風になってたなんて意外でした。

今後の調査も楽しみにしています。

投稿: なつ | 2010年6月 6日 (日) 19:50

初めまして。
いつも楽しく拝見しております。
中でも今回の話は凄く面白いですね。
読んでるだけでドキドキしてきました。

調査報告、お待ちしております。

投稿: なんこつ | 2010年6月 7日 (月) 15:16

これはちょっとしたモン・サン・ミシェルですね。すごいものを見つけましたね。

>エージナ島は整備されておらず樹木が鬱蒼と茂っており、ハブに噛まれる危険があります。

この時点で僕には無理(笑)

投稿: 茶太郎 | 2010年6月 8日 (火) 20:08

>なつさん
情報ありがとうございます。エージナ島の遺跡は対岸の名城集落と関係がありそうですね。

>なんこつさん
はじめまして。いつもありがとうございます。ここを見つけた時は僕もドキドキしました(笑)

さらに調査が進むともっと面白いことがわかるはずです。今後ご期待ください。

>茶太郎さん
「沖縄のモン・サン・ミシェル」という通称もいいかもですね。ハブは長靴履けばたぶん大丈夫でしょう。あと蚊もうようよいましたけど(笑)

投稿: とらひこ | 2010年6月 9日 (水) 15:16

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