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2010年5月22日 (土)

ホントの女房とウソの女房

約100年前、大正時代で起きた珍事件をご紹介します。戦前の新聞「琉球新報」に載っている記事を現代読みになおしました。

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○ホントの女房とウソの女房
中頭郡浦添村字●●、安和良盛(30)は数年前、同字の某娘マカタ(28)と結婚し赤ん坊までできたが、村吏員の不注意によりマカタとの結婚届をマカタ妹、カマタ(20)とまちがえて戸籍簿に記入し、今まで知らずにそのままになし置きしが、それがため良盛夫婦は何かのことにまちがいを生じ、戸口調べの巡査がやって来て、

戸主は良盛か、戸主の妻がカマタか

と聞かるる時、良盛は怪訝な顔をして

カマタではない、マカタである

と訂正を申し込むと、

ウソを言え、巡査の戸籍簿は役場の戸籍簿をチャンと引き当ててある

と言う。良盛が

マカタでもカマタでも同じ文字が3つあり、マカの字がカマに転倒した違いで差し支えはないが、カマタは現在妻マカタの妹で、間違えられてはチト迷惑でござる

と説く。巡査が

ナニ、マカタがカマタになって差し支えない法があるか、ウソと思うなら役場行って調べてみるがよい

などと言って帰る。良盛は

こんなうるさい質問を受けること、たびたびなるに、これはチト様子が変だわい

と1日、村役場に出頭して戸籍をくって見たところ、まったく巡査の説くとおり、マカタがカマタに転倒してるので大いに驚き、ソコソコ裁判所へ訂正の訴訟を提起したり。

(「琉球新報」大正2年〔1913年〕10月3日)

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