飲酒と翌日の仕事
大正時代の沖縄の新聞に、お酒に関する面白いコラムが掲載されていましたので紹介します。100年経っても沖縄はあまり変わらないようです(笑)
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飲酒と翌日の仕事 某氏談
酒を飲んだために翌日の職務に差し支えるようじゃ仕方ない。たとえ朝の出勤時間には間に合ったとしても、一日頭がボンヤリして仕事をするのに元気がなく、嫌々ながら居眠り半分にやるというような人間はしょうがない。
酒を飲むと神経が麻酔されるから、いきおい翌日の仕事にまで影響するのは当然のことだと、そこをちょっと注意して自分の体質や酒の量などをよく知っておいて、酒を飲むでも、もうこれでいいと加減することができれば結構だが、普通人はそれができず量を過ごしたりするから、翌日の仕事が嫌になって、欠勤したりして自堕落な生活に落ちて行くのが銀行・会社員に多いのは寒心のいたりだ。
泡盛などの強烈な酒を常用するうえに、本県人は一体に酒に対する修養というものが少しもない。飲めばただ浮かれたり乱暴したりするのはみっともない。先だって来ていた関場事務官などでも酒はよほど強いようだったが、風月楼(*)で各銀行家などと痛飲して、会が終わってからある銀行の重役を呼んで調査したというあんばいだからね。酒の修養がなくちゃあんな真似はできやしないさ。つまり大抵の人は酒に飲まれてしまうんだね。それを飲まれないように酒を飲んでやるというだけでも、かなりの心がけを要することと思う。
ことに若い人々は注意をしないと、とんでもない人間に堕落する。本県みたいに不良飲酒家が掃くほどもあるようなところでは、青年の酒に対する修養は大いに積んでいかなければならない云々・・・・・・
(「琉球新報」大正5年〔1916年〕3月23日)
*風月楼・・・那覇港内の御物グスク(現那覇軍港)にあった高級料亭。
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コメント
酒の話題に関連して「毛遊びー」について。
野蒜を沖縄ではモービラと言うように
「野遊びー」の当て字のほうがすっきりしませんか?
昔から「毛」の字を当てていたんかね?
なんか県外の人が聞いたら汚い言葉と思うのでは?
って思います。
投稿: ひで | 2010年5月21日 (金) 23:05
>ひでさん
「毛遊び」は単に「もう」という読みを漢字に当てはめただけのような気がします。本来の意味は「野遊び」ですよね。
投稿: とらひこ | 2010年5月23日 (日) 09:53