空から金が降ってきた
琉球王国が編集した歴史書には「何だこれ?」というような不思議な出来事がたまに記されています。これらの歴史は知ってたところで特に役に立たないようなことなので、ほとんど注目されてきませんでしたが、よく調べてみると意外と面白い事実があったりします。
例えば琉球の正史『球陽』には、1855年、首里桃原村の新垣筑登之(あらかき・ちくどぅん)の家に、空から銅銭5貫850文(現代の価値でだいたい30万円)が降ってきたという記録があります。何と空からお金が降ってきたのです(!)
にわかには信じがたい事件です。歴史書の編集者はこの事件について「疑うに、これはキツネのしわざであろうか」とコメントしています。まさかキツネが金を降らせたはずはありません。普通に考えるとこれはウソの情報、または当時の迷信深い人による錯覚だと思うかもしれません。
しかし、事件の前後の記事を丹念に見てみると興味深い記述が見つかります。空から金が降ってきた事件と同じ年、豊見城で竜巻が発生して多くの民家や樹木をなぎ倒した、という記録があるのです。歴史書にはこの二つの事件が全く関連づけられずに記録してありますが、おそらく銭を降らせた原因がこの竜巻である可能性は非常に高いといえるでしょう。
つまり、豊見城で発生した竜巻はどこかの民家が貯めていた銅銭を巻き上げ、風に乗って首里付近に「金の雨」を降らせたと考えられるのです。そういえば最近の沖縄でも竜巻が発生していますね。2007年3月15日には読谷村で竜巻が発生して民家に若干の被害を及ぼしています。
思わぬ大金を手にした新垣筑登之がその後どうなったのか、歴史書には何も記されていません。それより30万円ものゼニを失った人はいったい誰だったのか、届け出た人がいたのかいなかったのかもわかりません。
このように、教科書に載るような歴史の裏には「どうでもいい事件」がけっこうあるのですが、ちょっとのぞいてみるのもなかなか楽しいですよ。
参考文献:『球陽』
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コメント
はじめまして。
ホントに参考になる記事ばかりで感心します。
投稿: MSK | 2007年3月17日 (土) 14:43
>MSKさん
はじめまして。どうもありがとうございます。まだまだ「目からウロコ」のネタはたくさんありますので、今後もご期待ください。
また「こんなことが知りたい」というのがあれば遠慮なくコメントしてください。可能なかぎり調べて記事にします。
投稿: とらひこ | 2007年3月20日 (火) 07:47
とらひこ様
度々のコメント失礼致します。とらひこ様運営の他ブログの方にもお問い合わせさせて頂いております。
私共は旅行予約情報サイト「Travel.co.jp」を運営しております
株式会社ベンチャーリパブリックと申します。
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info@travel.co.jp
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株式会社ベンチャーリパブリック
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投稿: 株式会社ベンチャーリパブリック | 2007年3月24日 (土) 11:58