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2007年3月 9日 (金)

謎のマークの正体は…?

単行本『目からウロコの琉球・沖縄史』、ついに発売のはこびとなりましたが、お買い上げいただいた読者の皆さん、本当に感謝です。単行本はイラストや書き下ろしコラムなど多彩な特典付きで、さらに細部にも凝ったつくりになっています。

本をお買い上げいただいた皆さんは、裏表紙のマーク【画像。クリックで拡大】が気になりませんでしたか?この不思議なマークはいったい何でしょう?

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実はこのマーク、もうひとつの琉球王府のマークなんです。これは漢字の「天」の字をかたどったもの。最近国宝に指定された尚家の宝物の刀剣類(千代金丸など)や、聞得大君の黄金かんざし、漆器にも、このマークが刻まれています。この「天」字マークのほかにも、分銅や団扇(うちわ)のマークが確認されていて、主に16~17世紀(古琉球時代の後期)頃のものに付けられています。

これらのマークは左三つ巴紋(ヒジャイグムン)のような内外に広く示すシンボルというよりも、王府や王家が所蔵していることを示す記号のようなもので、王府で製作された美術工芸品に刻まれたようです。またマークにいくつも種類があるのは、王府の工房内で製作を担当したグループを識別するための記号である可能性も指摘されています。

古琉球時代、国王は「天」と深く結びついていました。王は天上を源にする霊力(セヂ)を神女の頂点に立つ聞得大君より与えられ、太陽(テダ)の化身として琉球世界に君臨していました。国王は別名「首里天加那志(すいてん・がなし。加那志は敬称)」とも呼ばれています。かつての王都であった浦添グスクからも、「大天」や「天」と刻まれた瓦が多数見つかっています。

つまり、「天」は王を意味しているわけです。王府で製作された工芸品に刻まれた「天」字もこの思想にもとづいて付けられたと考えられます。

単行本の裏に琉球王府の所蔵マークを載せるなんて少々不届きだったかもしれませんが、王国時代の琉球人がこの単行本を見たら「この本は王家のものだ!ははー」とカン違いして平伏したかもしれませんね。

というわけで、単行本の表紙にもこっそりと「目からウロコ」な情報を載せてみた次第です。

参考文献:久保智康「尚家継承金工品」(『尚家関係資料総合調査報告書Ⅱ美術工芸編』)

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コメント

単行本買いました!!! 本当におもしろかったです!
TBさせてもらいますんでダメなら言ってください

投稿: 向日葵 | 2007年3月12日 (月) 00:25

>向日葵 さん
お買い上げ、本当にありがとうございますm(_ _)m少しでも喜んでいただけると、こちらも書いた甲斐があったと思います。

TBは大歓迎ですよ。どんどんやってくださいませ。

投稿: とらひこ | 2007年3月12日 (月) 00:51

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