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2006年11月 8日 (水)

解いてみよう!王国の試験問題

高校の必修科目履修問題で教育現場が騒がしいですね。受験最優先の風潮が今回の騒動の原因のひとつとなったようですが、琉球社会でも学問や受験は非常に重視されていました。受験に合格するかどうかで後の出世が決まったのです。その一端をみてみましょう。

次の問題は「科(こう)」と呼ばれた、いわば琉球王国の国家公務員試験。内容は論述問題です。皆さんも試しに解いてみてください。

以下の文を読み、解答せよ。

【問1】このたび、薩摩藩より中国で反物(織物)を仕立てよとのご命令があり、その反物には島津家の紋である十文字のマークを入れよとの注文が来ている。しかし中国で薩摩のマークのついたものを琉球が注文してはいろいろ支障が出てくる(*注)。これらの注文が不都合である理由を挙げて、中国に滞在する役人の立場から、王府に対して指示をあおぐ内容の文章を書け(1805年度試験)。

*注:当時、琉球は薩摩に支配されていることを中国に隠していたから、バレてはまずかった。

【問2】講談師匠(教師)の交代につき父と子が採用試験を受けたところ、子が1番となり父が2番の試験結果となってしまった。あなたは子供の立場で、「父より先に師匠に採用されるのは私の望みではないので、父を合格にしてください」と願い出る内容の文章を書け(1806年度試験)。

【問3】人間の欲は多いのだが、とくに酒に対するいましめは念を入れなくてはならないので、酒を飲みすぎることの害をひとつひとつ述べ、これらを三司官(大臣)の立場から通達する文章を書け(1807年度試験)。

どうですか?解けましたか?簡単なように見えますが、好き勝手に思うままを書けばいいのではなく、解答は出題者である王府の意に沿うものでなくてはいけません。これができれば、みなさんは琉球王国の官僚の仲間入りです。解答は次回に。

参考文献:『那覇市史』資料篇1巻11・琉球資料

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コメント

今風に言えば、「きちんとしたビジネス文書が書けるかどうか」を試されているわけですね。
全体的に同じような出題傾向なのでしょうか?

しかし、那覇市史にこんな資料があるとは知らなんだ(^^;)

投稿: 茶太郎 | 2006年11月12日 (日) 02:26

>茶太郎さん
今後解説すると思いますが、出題内容は大きく分けて【問1】のような時事問題と、【問2、3】のような道徳問題になります。

『那覇市史』には受験生の添削された模擬試験の答案なども収録されてあって面白いですよ。

投稿: とらひこ | 2006年11月14日 (火) 01:44

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受信: 2006年11月14日 (火) 10:01

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