90年前の2ちゃんねる(沖縄版)その3
(前回からの続き)
31 名前:閉口生:1916/3/20(月)
久志写真屋にいる書生君よ、君は僕の童名をよく知っているが君の姓は何と言うんです。僕は君から呼ばれた時、突然なので大いに閉口したよ。よろしく姓を知らして交際を乞う。
32 名前:忠告生:1916/3/21(火)
>>25
ポストカード君よ、君はよほど神経過敏になっておると見えるねー。無実無根の人を中傷し揚げ足をとらんとするようだが、君の思うままに世の中はいけないよ、恐らくは君の心が左様読めるかもしれない。
33 名前:あとから出た人:1916/3/23(木)
21日、図書館でゲタを違った方は本日午前中においで下さい。
34 名前:一人寝の人:1916/3/24(金)
昨今のように寒風吹きすさみ一人寝する時は、新家庭(しんホーム)を造った浪さん羨ましいワイなー。
35 名前:新しい女:1916/3/24(金)
「恋は人生の花」とか誰か言ったものです。私は女にとっては「恋は人生の奴隷」といいたいです。
36 名前:金葉生:1916/3/25(土)
盛到君よ、君は近頃、一向本欄に顔を出さないがどうしたのか。少しは顔を出してくれたまえ、私も連日内に引きこもって淋しいからね。
37 名前:山岳生:1916/3/28(火)
島尻郡某校々員の○○君よ、君は去る16日の夜、某家の警鐘をむやみに鳴らしホラ貝を吹き、村の老若男女を迷わせたるうえに、「本官は官吏なり。反抗する者おらばピストルにて打ち殺すぞ」と放言したるは教育家としての言行と思うか。よろしく君の反省を求む。
38 名前:郭浪人で無い人:1916/3/29(水)
ゆえあって郭浪人と名乗り花の木陰に住む余輩も、世はまさに明けぼのの空となり青雲晴々として余を光へ導き、今や新所帯を持つ身となりぬ。昨日はこれ過去、今日は現在なり。ねがわくば本欄の諸君余の現在に幸福多からんことを教えたまえ。
39 名前:宇志子:1916/3/31(金)
友人見送りに通堂に行った。K君は甲板(デッキ)に立ってる。ピーと鳴る汽笛とともに船は桟橋を離れた。甲板で打ち振るハンカチーフの影がようやく薄らいで推進器の刻み立てる白泡が此方のハシケ船の舷をたたいて刻一刻と離れて行った。
40 名前:振れ生:1916/4/3(月)
>>38
近頃妻をめとった浪人君、男前を発揮せんとて道端の理髪に入り、チック(整髪料)とガラス磨きとを間違えて頭にすり付けているのを白毛荒神前のオトぐゎーより注意されたのを、気転の利いた浪人君、「いや頭にゴミが付いているから磨く」。さは近来の上出来、上出来。
41 名前:見た人:1916/4/3(月)
上の倉○○店の隣のタヌキ爺は実に人面獣心の人間である。先日のごとき大雨降るにもかかわらず、門に隠れている人々を追っ払って門を閉めておりました。
42 名前:宇志子:1916/4/29(土)
私はこの頃、お友達や家族とも、面白くない仕事も、支度のない遊ぶ時にも、夢中になってその加減を知らない。ああ、自分の行く末はいかに。
43 名前:裏表通:1916/4/30(日)
人間は真似が上手だ。キッスだって鳥の真似だぞう。あなかしこ
44 名前:疑問家:1916/4/30(日)
大味知事の休職も痛ましいことだが、後輩の後に先輩を持ってくるなんて内務省もずいぶん皮肉をやったものだ。
45 名前:英学者:1916/5/4(水)
帝国館の与座弁士よ、印度人(インデヤン)にインデ“アン”とはちと変ですぜー。今少しは修養せよ。
※弁士とは、無声映画の上映中に映画の説明をする人。
46 名前:宇志子:1916/5/8(月)
おみとさん、あなたのカイコはユーナの葉を食わすとの事じゃありませんか。私は珍無類なあなたの養蚕法を拝聴したいです。
47 名前:七面鳥:1916/5/10(水)
電灯会社に新たに来たメガネ先生よ、別の会社でのごとく他人を無視しますと首が危険ですよ。
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コメント
はじめまして。
今日、著書の方を購入して、あわててブログの方を拝見しま
した。
そして、この「90年前の2ちゃんねる」を拝見して、けっこう笑ってしまいました。とはいえ、紙バブと言われた新聞メディアに匿名でいろんなことをいう感覚というのは、今の2ちゃんねると何が同じで何が異なるのでしょうか。
「感性の歴史」という言葉(というか本の名前)をふと思い出しました。
笑いながらも、いろいろと考えさせられます。
投稿: まようべき人 | 2007年3月 7日 (水) 22:46
>まようべき人さん
本のお買い上げ、ありがとうございます。
僕は「2ちゃんねる」の本質とは何かという深い問題について考えたことはありませんで、その感覚の何が同じで何が異なるかについては明確にお答えすることができません。すみません。
90年前の「2ちゃんねる」としたのは、新聞投稿の内容が匿名での情け容赦ない中傷やネカマ疑惑、投稿欄内でのいくつものコミュニティの形成、内部告発など、現代の我々が「2ちゃんねる」のような匿名掲示板を利用する感覚に非常に近いなと思ったからでした。
この記事は単に面白いからと取り上げたのですが、研究対象として分析するのも面白いかもしれませんね。
投稿: とらひこ | 2007年3月 9日 (金) 14:17